2021/02/28

曲題に名前が入っている(11) - Oh シェリー



本日ご紹介する曲 - Steve Perry - Oh Sherrie

「名前が題名になっている」曲をテーマにお届けしています。今回は11回目。

アメリカの偉大なるバンド、ジャーニーの黄金期を支えたボーカリスト、スティーブ・ペリーのソロ・バラード曲。…とここまで書いてジャーニーのウィキペディアを見ると、このバンドは何度も日本公演をしているんですねえ。けっこう日本各地を回っており、根強い人気があるんだ…とちょっとビックリしております。ヨーロッパではこれほど人気はないように思うので…。

さて。本日ご紹介するこのOhシェリー。これは1984年の大ヒット曲で、日本でもこの曲から逃れられない…てくらいヘヴィ・オンエアされてましたように記憶しています。…一方、ヨーロッパでは全然流行らなかったんじゃないかな、と推測します。現在まったくオンエアされないんで…汗。このブログを書くにあたり何十年ぶりかで聞きました…笑。

透き通っているようでいてパワフルな誰もが分かるスティーブ・ペリーの声。

私はまだ英語もろくろく知らない少女だったのですが、この曲は…なんだか聞くといつも恥ずかしい、と思いました。Oh シェリー~って…なんやそれ?大声で好きな女の名前を叫んで恥ずかしい、みたいな(笑)。シェリーといえば…そういえば尾崎豊も歌がありましたよね。邦楽はほとんど聞いてないのですが、尾崎豊は好きだったのでよく聞いてましたねえ。尾崎豊の声も…スティーブの声とジャンルは違いますが、それは素晴らしい声でしたねえ。

話が逸れてしまいましたが、ともかくも英語が分からないのになんだか恥ずかしい。つまりもう直感でこの曲が何を意味していたか分かってしまった、とそういうことなんですね。そしてその私の直観もあながち間違っていたわけではなかった(笑)。

この曲は、当時スティーブ・ペリーが付き合っていたSherrie Swaffordに向けて書いたもので、実際のこのミュージック・ビデオにも登場する女性です。白いシンプルなドレスが似合う健康美人って感じの奇麗な人ですよね。

この派手なビデオを見ても分かりますが、この曲は俺たちやっぱり別れたほうがいいんじゃないか、うーん、でも愛しているからやっぱりつなぎ留めたいよ、行かないで…(Hold on!)とゴチャゴチャと別れたりくっついたりしている2人のお話。

正直…ごめんなさい。私、こういうところには非常に淡々としてまして…一回もうダメだと思ったらもうダメなんじゃない?て思っちゃうタイプなんですよね…汗。あんまりゴチャゴチャとくっついたり離れたり…ちょっとムリかなあって思っちゃうタイプ。なのでビデオを見るとこのバカップルっぷりに赤面してしまうし、アハハ…もう好きにやってくれさー…てなってしまいます。

いや、いいんですよ。他人はいくらでもやってくれて。でも…自分はちょっと恥ずかしいなあ~。「やっぱりあなたのことが好きなの!!!」「私のこと見捨てないで…!」「あなたが私じゃなくて〇ちゃんを見ているの…耐えられない!!」とか何とか…思いつくセリフはいくつもありますが…自分はそれをなりふり構わず口に出せるほど可愛い性格しちゃいないんですよ(苦笑)。昔も可愛い女の子じゃなかったし、それは今も同じなんだろうなあ~。だからこそ、たぶんこの曲を直観的に恥ずかしい、とそう思ったんでしょうね…。

このスティーブ・ケリーですが、結局このシェリーとは結婚せず、その後も独身を貫いています。が。子供が一人いて孫もいます。何故結婚しなかったかというと、両親に起こったトラウマ、そして全世界ツアーで忙しい最中、妻や子供を家で待たせて結婚・離婚を繰り返すのがイヤだったのだとか。彼は長年がん闘病も続けており、いろいろ思うところがあるのでしょうね。

一方、この歌の登場人物であるシェリー(Sherrie Swafford)もまた結婚しませんでした。彼女は自分の愛を動物や植物に注ぎ続けたということです。二人とも結婚していないって…実はこの曲のとおり、ずっと心の恋人なのかもしれませんね。こんな激しい曲をプレゼントされてしまったら、何と言うか…次に進みづらいということもあるのかな。結婚するのが好きなアメリカ人からすると珍しいと思うんですけど(彼らはすぐにプロポーズするので…日本人とは対照的)。

まぁ結婚する・しないが幸せ度合いを決めるわけではありませんし、彼ら2人が彼らの歩んできた人生が良いと思っていれば、それでよいと思います。しかし…また話は元に戻ってしまいますが、彼の声は国宝級ですね。ここまでパワーのある美声の持ち主は…なかなかいないのではないかと。2013年以降は、がん闘病で厳しい生活をしているとのことなので、コロナにも負けず頑張って生き抜いていただきたいと思います。




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2021/02/16

曲題に名前が入っている(9) - ジョリーン



本日ご紹介する曲 - Dolly Parton - Jolene

「名前が題名になっている」曲をテーマにお届けしています。今回は9回目。

今回ご紹介するのはドリー・パ―トンのジョリーン。この曲は…私にとって一番最初に記憶する幼年期の曲、といってもよい記念すべき?一曲です。

我が家は父親がカントリーが大好きで…当時70年代に日本の田舎でカントリーを聞いていた人は珍しかったかもしれません。まぁもともと父は東京のど真ん中で育ったボンボン・シティボーイ(?)で、バンドとかやってたらしいので…それがカントリーってのがまた「?!」なんですけど。仕事の都合で田舎に引っ越してもカントリーはよく聴いてました。車に乗ると流れてきたのがカントリーでしたからね…汗。

私と姉が大きくなって洋楽を聞きだした時、もっとも喜んだのは父。私はサザンロックなども好きで聞いていたのですが、「オマエも俺と同じ趣味だな!」て言われて…誇りに思う、、ワケはなく(苦笑)、内心「えー?カントリーは聴かないよ?」と思ってましたね。いや。カントリーが嫌いだったわけではないのです。カントリーを赤ちゃんの時から聴かされすぎて、小学生ですでに飽き気味だったんです(笑)。

日本語もまだロクに喋れない頃から「じょりーん、じょりーーん、じょりーーーーーーーん♪」って歌ってましたからね。小さい頃から洋楽ばかり聴かされていたせいか、幼稚園児の頃、私の頭の中では歌詞というもの=意味不明なもの、として認識されていました。毎晩自作した歌を歌いながら寝るんですが、歌詞は日本語じゃなかったことを今もハッキリ覚えています。…ん?こう書いて思うのですが、私ってもしかして才能あったのかも?

さて、このジョリーン。小さい頃から知っている曲ですが、誰が歌っているか?とか、まったく興味なかったですね。小さい時から聴いていたせいか、このビブラードの美声が特別とも思わなかった。大人になって色んなジャンルの音楽に首を突っ込んだ後、改めて彼女の声を聴くと、本当に特徴的な美しい声ですよね…しかも発音もとてもきれいですし。同じ歌を歌っているマイリーサイラスと比べても月とスッポンよ…て言いたくなるくらいマイリ―の声が普通に聴こえてしまうわ。

あと、この人が映画に出ているのをみて、エーーー?こんな人だったんだ?!と驚きました。この人、まさに天は二物を与えず…どころか、全てを与えてしまっている?て感じの金髪美人。美声で、曲も自分で作ってしまって、自分の番組を持っていてセルフプロデュースしてしまって、…まだまだ女性が活躍できなかったとされる時代に欲しい名声を全て得てしまったようなお方。たぶんとっても賢い方なのでしょう。

しかも。この方はプレイボーイ誌が是非登場してほしい!と願った、まさに男性から見てもビーナス天使だったようです。この豊満な胸は…ホンモノなんですかね?まだ豊満手術なんかなかったであろう時代???…これって…やっぱりホンモノなんですかね…?!いや、でもいくらなんでも…ちょっと…デカすぎちゃう?てなレベル。…マジで???しか~も、笑うとエクボも可愛くて、なんなん?て感じ。たぶん…国民女性全員が彼女のようになりたいって思っていたんじゃなかろうか…。

こんな派手な感じのグラマー金髪美女。きっとパメラアンダーソンやマドンナみたいにスキャンダラスな人生に違いない!!!…と、多くの人はやっかみ半分、嫉妬半分、羨ましいと思う心ほんの少し…そんな風に思うかもしれません(嘘です…笑)。

ところがどっこい。彼女には長年連れ添った彼女だけのイケメン旦那がいるから、、、もう、、、。ライバルはキィィィーーーーー。私のような少女漫画好きオタクは、鼻血ドバーーーーッです(笑)。

彼女と旦那さんであるカール・トーマス・ディーンとは1966年から50年以上ずーっと連れ添っています。この二人の出会いは…彼女のショーにカールが見に来たことがきっかけでお互い一目惚れだったそうです。彼は派手な感じではまったくなく白いピックアップトラックに乗ってやってきたそうで、彼が車で乗りつけた瞬間に彼女は彼を見て目を追ってしまったそう。一方彼も彼女を見るなり結婚したい、と思ったそうで…。それはカールが21歳。ドリーが18歳のときでした。な、なんなん…それは?おとぎ話か?!

彼は塗装工を営む実直な男で、こんな美人で名声を着々とつけている女性だったのにもかかわらず、自分を大きく見せたりすることはなく、デートは自分が落ち着く場所、その辺のカフェとか公園とか…そんなところにしか彼女を連れていかなかったそうな。彼女が大成功をおさめ、グラミー賞などで賞を獲得しても一緒にレッドカーペットに登場することすらなく、二人の私生活はナゾだらけ。実は名ばかりの結婚なのでは?とか、不仲で離婚間近とか…いつもそんな噂をたてられていたけど、真相は彼はそういう派手な世界をまったく好まない男性であっただけなのだそうです。

二人はまったく性格も違って、生活習慣も違って、お互いが得意とするものも違って、まったく共通点がないにもかかわらず一緒にいるとそれだけで幸せなのだとか。な、なんなん…それは?そんなんありえるかーーーーい!とツッコミを入れたいに100票!…なーんて。

しかし、彼の彼女への愛。それはもう普通の人のレベルを越えているのです。「好きだから全てを許せる。」「彼女が幸せだったらそれでいい。」…彼女も分かっているんですよ。これだけ大きな愛で包んでくれるのは世界にたった1人、彼だけ、ということを。だから彼女も彼の全てを愛し、ツアーやグラミーなどの大きな会場にさえ決してついてきてくれない彼を許しているのです。

そんな彼とはいったいどんな人なのよ?!写真を見て驚かないで下さいよ?!…これがもう、、、超イケメンなんです。あ・り・え・な・い。イケメンなのにここまで実直で大きな愛?あ・り・え・な・い。

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…ついつい興奮してしまいました。いや、でもね。派手なショービジネスの頂点にいる女性がこんな人生を歩んでいると、彼女になりたいと思う人は…彼女のような人生を手にしたいと思う人は…いっぱいいるんでしょうねえ。そしてそれがとても難しいということは、色んな人の人生をみても明らかだと思います。

さて。ここまで彼女の人生をご紹介したあと、本日ご紹介する歌ジョリーンについて書きます。実はこの曲はこのカップルに大いに関係ある実話なのです。

すでに力説したとおり彼女はとても美しい人でしたが、彼女の旦那さんもイケメンだったので、それはそれはモテたことでしょう。彼女の成功を妬み、彼女のモノを盗もうとした女性もいたはずです。いや、実際いたのです。だって。この歌で歌われているジョリーンは、まさにその女性だったのですから。ジョリーンは正面ではドリーにサインしてください、ファンなんです…といいつつ裏で旦那を盗もうとした…腹黒とんでも女なのです。いそう、いそう、こんなオンナ!

この曲は、歌詞もかなりハッキリしていて、ジョリーン、私の大切な人をどうか連れて行かないで。あなたは美しい人で彼を盗もうと思えばそれができるけど、でも私にとって彼はただ1人の愛する人なのです、だからどうか彼を盗らないで、と歌っています。

実際この事件があったため、ドリーはこの歌を作ったのはいいけど人前で歌うのはイヤだったそうです。コンサートや彼女の歌番組でも歌うのをためらうくらい…それほど彼女は彼を愛し、そしてジョリーンへの敵対心を表わしていたのです。

ドリーは言ってます。それは(今から20年前の)68年くらいの話なの。私がコンサートツアーでいない間に、赤毛で魅力的な女が私のだんなに取り入っていたのよ。まるで泥棒ネコみたいにね。この曲へのリクエストはよくあったけど歌うのは好きじゃなかった。だって辛いんだもの。イヤな思い出。でも、私は彼を取り戻すことができたの。だから今、この話を皆の前でできるし、歌うこともできるんだわ。

すげー…。男を巡っての女の闘い。いや、彼女はすでに彼と結婚していたのだから、浮気女を蹴落とした正妻ってとこでしょうか。でも、こんな美人が彼の前では自信がなくなって、もしかして彼の心が彼女になびいてしまうんじゃないか…て、その心を歌い上げるってのが、ドリーの可愛らしさと勝気さと…色んなものをあらわしてますよね。それを聴いた旦那さまはどう思ったんでしょうか。

今、浮気話は日本でもよく話題になりますけど、たいてい浮気すると「離婚すべき」という離婚を薦める声が大勢を占めますが、私は本人次第なんじゃないかと思ってます。2人のことは2人で決めればいいと思うし。この2人にしてもそう。何より私はドリーの気持ちがよく分かってしまうんです。彼のように彼女を好きにさせてくれる男は貴重だと思うし、何より彼女が彼のことを大好きなんだもの。

ちなみに。この話にはさらなるエピソードがあり、ドリーはこのジョリーンを書いた日にもう一つの歌を書き上げており…それがあのホイットニー・ヒューストンの映画ボディーガードの主題歌として世界中で大ヒットした「I will always love you(オールウェイスラブユー)」なのです。

もし彼が泥棒ネコのジョリーンの策略に落ちて、私を捨ててしまったとしても…私はあなたをこれからもずっと愛しています。この二つの曲で彼女は彼への永遠の愛をこのように表現しているのです。

いやぁ~彼女の海のように深い愛が現われているではありませんか。イイ女は顔や体という見た目だけの話ではなかった。心も愛も最高級。アメリカで最も尊敬するに値するスゴイ女性だったのです。この二つの曲が40年以上経った今も人々に愛されるのはワケがある。それは揺らぐことのない一人の女性の真実の愛だったということなのです。




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2021/02/07

曲題に名前が入っている(7) - 緑の風のアニー



本日ご紹介する曲 - John Denver - Annie's Song

「名前が題名になっている」曲をテーマにお届けしています。今回は7回目。

今日ご紹介するのはジョンデンバーの邦題「緑の風のアニー」。英語オリジナルはAnnie’s songで「緑の風」はどこからやってきたんだろう?という感じなのですが…昔は邦題をつけるのが当たり前でしたからかっこよくつけてみたのでしょう。オリジナルを訳しただけの「アニーの歌」って言われてもね…日本語だと兄の歌?て間違えられちゃう可能性もあるし、せっかくの名曲がパロディみたいになってしまっては大変ですから…(?)。

ジョンデンバーはもうすでに歴史の人物?日本だとビートルズなどと共に音楽の授業で習いますよね。代表作は言わずと知られた「故郷へ帰りたい(カントリーロード)」。確かにシンプルで歌いやすいし、名曲中の名曲です。この緑の風のアニーもそうですね。

アニーはデンバーの最初の妻ですが、この壮大な歌詞とはうらはらにデンバーの妻へのDVが原因で離婚。彼自身もアルコール、ドラッグ、暴力…なんでもござれの人物でこんなステキな歌を作る人がなんつーこった…のロクデナシなのであります。

彼は1997年に自ら操縦する飛行機事故で亡くなりますが、実はその前年の1996年にはアメリカ連邦航空局がデンバーのアルコール依存症を理由に飛行機を操縦してはならないという決定を下しており、それを違反して脱落しているので悲劇でもなんでもないのです。ハッキリ言っちゃうと同情する余地がまったくない救いようのない人。それより以前にはアルコールで自動車交通事故も何度も起こして免停も受けており、なんなんでしょうかね。事故を起こしても平然と2回目をやるってことは、死を恐れなかった結果であり、ジェームス・ディーンやマリリン・モンローと同じで長く生きることは不可能な、刹那的な生き方をした人物と言えるのかもしれません。

このように彼自身はロクデナシでありますが、彼の残した曲は永遠に残る名曲であります。この曲は壮大な歌詞…と書きましたが、叙情的な詩を歌い上げたものです。つまり「あなたが太陽なら私は月。あなたが右腕なら私は左腕。」みたいな部類の歌詞で、パートナーが自分の足りない部分を埋めてくれる貴重なつがいであることを歌い上げています。

ジョンデンバー本人のことを知ってしまえば「フッ。つがいっていっても結果はDVかよ!」てな感じに、永遠の愛なんてやっぱり存在しないのね…とついつい名曲が色あせてしまったりするのですが、ここはなんとかキチンと切り離さないとダメです(汗)。

こういう名曲はアメリカでは結婚式やお葬式など人生の節目で使用されることが多いですね。この曲が発表されたのが1974年。この頃ちょうど結婚されたカップルもちょうど70歳前後であり、ずっと番いで仲良く連れ添ってきたカップルもパートナーとのお別れをしなければならない人が出てくる時期かと思います。

ユーチューブのコメントにもそんなコメントがあって、詩のように美しい妻とのストーリィを書き上げている方がいらっしゃり、つい涙が…。まったく知らない方のコメントを見て泣いている私って…単なる暇人…?(汗)。

そうやってずっと思ってもらうためにはやっぱり日ごろの努力だろ!と思いつつ、うーん…今から巻き返すのはすでに難しい域に達しているのかも…などと旦那を横目にそんな風に思ってしまう私なのでした。いかんな。今日から頑張ろう(苦笑)!




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2021/02/04

曲題に名前が入っている(6) - ナンシー・マリガン



本日ご紹介する曲 - Ed Sheeran - Nancy Mulligan

「名前が題名になっている」曲をテーマにお届けしています。今回は6回目。

ちょっと古い曲紹介が続いていたので、今回は比較的新しい…エド・シーランの曲を。今の日本は80年代に比べると洋楽取り入れ熱がなくなってしまい、以前よりもさらに著名な歌手が少なくなってしまいましたが、エド・シーランは別格。まぁキャッチ―なメロディでいいですよね。万人受けしやすい音楽を提供しているなぁと思います。

万人受けしそう、シンプル、でも目新しいって今の時代けっこう大変だと思います。たいていの音楽はすでに過去流行ってしまいましたからね。色んな音楽がすでに過ぎ去ってしまった今、シンプルだけど新しいっていう曲を考えるほど難しいものはないと思います。

今日ご紹介するナンシー・マリガンもまさにそんな音楽。ありそうでなかったアイルランドフォークとポップスの融合。いい感じです。

この曲は歌詞が…なんといいますか、事実を記載した個人履歴、みたいな感じで誰が読んでも何が書いてあるかよく分かる内容で、歌にしちゃけっこう珍しいスタイルかもしれません。ここまではっきり書いちゃっていいの?家族のことをバラすみたいで恥ずかしいじゃないか、みたいな。

She was Nancy Mulligan (彼女はナンシー・マリガン)
And I was William Sheeran (そして私はウィリアム・シーラン)

これはエド・シーランの祖父母のことを書いた歌なのです。ウィリアム・シーランが祖父にあたる人で、祖母であるナンシーに出会ったのは24歳のときでした。北アイルランドのベルファスト出身のウィリアムはプロテスタント信者の出でした。一方ナンシーは南アイルランド出身のカトリック信者の出。アイルランドの宗教問題といえば、テロやハンガーストライキまで発展する犬猿の仲である宗派。この二人はその宗派を乗り越えて一緒になったのです。

結婚式に参列した親族・家族は誰もいませんでした。駆け落ち同然で南アイルランドの南に位置するウェックスフォードで結婚した2人。結婚指輪は歯医者の歯型を盗んで溶かしてリングに(犯罪です…汗)。ドレスやスーツは借りて二人は永遠の愛を誓いあいました。

永遠の愛を誓った2人から生まれた子供は8人(男5人に女3人)。そしてそこから生まれた孫は総勢22人。そのうちの1人がエド・シーランというわけです。60年以上の月日が経った今でも彼らは仲良しの2人。

スゴイ。大恋愛ですね。第二次世界大戦中に出会って恋に落ち、周囲の反対を押し切って結婚。まるで映画のようです。

思うのですが、戦争という死がそこら中に溢れていた時代。自分も明日にでも突如死んでしまうかもしれない、という感覚は現在のコロナと比べても比較にならないくらい死が近くにあったことかと思います。そんな中で生きるとはどういうことなのか。

ヨーロッパに住んでいると第二次世界大戦関連のミュージアムや戦争遺産はたくさんあるので色んなところに行きましたが、兵士たちが全員笑顔で映っている写真なんかがよくあってすごく感心してしまうのです。なぜこんな恐ろしい時代に笑っていられるのだろうか、と。写真を撮ることが特別だった時代ですし、どんな背景があったのかは分からずとも、自分が、今日いる仲間がここに全員生きている、ということを精一杯体現しているのかなあと思ったり…。

ともかく物事を先延ばしなんて出来ないのは確実。今日会って好きだと思えば、その思いを今日中に伝えなければ明日はどうなってしまうか分からない。ある意味本能どおりに生きていたのでしょう。まさにこのウィリアム・シーランとナンシー・マリガンはそのような怒涛の世界の中でシンプルに愛を貫いたに違いありません。

今の日本人は…今の彼女と結婚する?もう少しいい人がいるかもしれないから、別に急いで結婚する必要ないよね。今の生活も気に入ってるし―…ムリして頑張る必要ないか…。男女ともそんな感じなんでしょうかねえ。ある意味幸せなのかもしれないけど、ある意味不幸なのかもしれないですね。無難に生きているようで、でも、何事も自分がきっちりと向き合うことをしなければ、相手も向き合ってくれなくて当然なのです。

あ。こんな風に書いてますが、私は別に結婚推進派というわけではないんですよ。最近の独身者は、なんとなく結婚がイヤだから独身主義って人が多いようにも思いますが、ちゃんと考えて独身主義ってならそれでもいいんじゃないかと思います。うちの親戚のお姉さんは小さい頃から独身って決めていて今もそうですが自分の道を貫いていてカッコいいですよ。

ただ、でも、やっぱり。22人の孫がいるのと誰もいないのでは、定年時(65歳頃)の人生の重みは全然違うんだろうなあ~と、そこは素直に思うのです。うちも子供がひとりしかいないんで、とてもじゃないけど22人の孫はムリですしね。どう見積もってもムリ(苦笑)。

エド・シーランがどのような人か、ファンではないので月並みなことしか知りませんが、しかしこんな祖父母から生まれた大家族の家系であれば、割とのほほんと普通っぽい人なんじゃないかな~って勝手にそんな風に思ってます。

そもそもいわゆる幼馴染と結婚するっていう点でそんな感じがしますよ。幼馴染と結婚するってことは、小さい頃も有名になった後も態度が変わらないってことでしょう?それに確か結婚して少し活動を休むと言ってましたよね。人気商売であっても自分にとって大事なものを最優先する勇気ってすごいことだと思います。他人の人が評価するものであっても自分が大切なものだと思わなければ切り捨てて、自分が本当に大切だと思うものを大切にするという勇気はきっとおじいちゃん、おばあちゃんからも譲り受けているのでしょうね。本当の幸せを手に入れるできるひとなんだと思います。こういうすっきりとした生き方、見習いたいです。




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2021/01/16

曲題に名前が入っている(3) - 追憶のケイリー



本日ご紹介する曲 - Marillion - Kayleigh

「名前が題名になっている」曲をテーマにお届けしています。今回は3回目。

今回のお名前はケイリー。今回のケイリーはこの歌がきっかけで名前ブームを引き起こしてしまったという…80年代の人気ソングです。日本名は邦題がついていて「追憶のケイリー」という曲名らしいです。すごい名前だな…。

この頃はなんでも日本語訳にするのが普通だったけど、考える人は本当に大変だったと思う。でも…たとえば名画「愛と青春の旅立ち」は日本人ならば誰でも知る邦題ですが、この映画の原題が「An Officer and a Gentleman」だと知る人は少ないし、もし邦題が作られることなく「オフィサーとジェントルマン」なんていう名の映画だったら、正直…皆の心に残ったかな?とも思います。なので「愛と青春の旅立ち」という名を作り出した人はスゴイな、と思います。

話をもとに戻して、ケイリー。この曲は1985年のヒット曲なので現在35歳以下でケイリーという名前を持つ人の親はまずもってこの曲が好き、と断言してよいでしょう?!?!実際にユーチューブを見ても、私はこの歌からケイリーという名前になった…と言っている人がずらずら…汗。

この曲を歌っているのはマリリオンというイギリスのバンドです。彼らは息の長いバンドでとても成功しているバンドと言えるのですが、しかしながら音楽批評家の間で彼らは最も成功したバンド、ジェネシスやピーターガブリエルの二番手扱いとなっています。まぁ…実際にジェネシスと比べても規模が違うのかもしれませんし、そう呼ばれてしまうのもムリがないのかもしれません。そもそもこのアルバムの曲構成も70年代のジェネシスにかなり似てますしねえ。。。オリジナリティに欠けるといえばそうなのかも。

でも。そうはいってもジェネシスは名前ブームをもたらしたわけでもありませんし、今もコンスタントに活動しているわけでもないです。どっちがどっち、と決めつけるのもどうかと思いますがね。そういう意見の人はジェネシスのプログレッシブ流派に対抗してマリリオンなんかはどうやらネオ・プログレッシブ流派と呼ぶそうです。歌のルーツ、流れなどに興味がない私にとっては、かなり…や、ややこしい…。というか、どうでも良いとも言えるかも…(汗)。スミマセン。

この曲は…歌詞がもう素直で、素直で。Excuse me や I’m sorry がここまでスーッと入ってくる曲は珍しいように思いますね…。ここまで素直に謝られてしまうとドロドロでぐちゃぐちゃの恋愛もスッキリ終わるような…そんな気がしますが…いかがでしょう。この歌詞からは男のメンツや見栄みたいなものが感じられず、こうやって謝られちゃったら…私はきっと、もういいや、許す、スッキリ別れましょう、になっちゃうかな。。。あ、甘いですかね(苦笑)?

この歌詞をかいた当時のリーダーでボーカル担当のフィッシュは、この曲は過去に付き合った女性たちのことを書いていて特定の誰かを指しているわけではないんだ、と言っています。ちなみにケイリーはケイリーでも、過去にKayleighという名の女性と付き合ったことはなく、 過去に付き合ったKayという女性の名前を借りたと言っています。KayはセカンドネームがLeeで両方くっつけたらケイリー。そこからKayleighという名前を思いついたというのだから面白いですね。

すでにこの歌詞の心情を上で少し書いてしまいましたが、この曲はうまくいかなかったかつての恋について書いています。どうしてうまくいかなかったのか。過去を辿るとあのとき・あの瞬間に思ったあの心情・あの行動が間違いのもとだったんだ、ということが分かります。ありますよね、人間誰しも。なぜあのときあんなことをしてしまったんだろう?後悔してもしきれない間違い。この曲の歌詞は、その間違い・思いを拾い集めて切ない思いを歌いあげています。

別れを経験したことがある人なら、誰しもこの中のひとつやふたつ、経験があるんじゃないかな…。別れても友達としてうまくやっていけると思っていた、とか。別れてこんなに辛いとは思わなかった、とか。あのときなぜ電話の受話器を取ることができなかったかといえば悪いニュースを聞くのが怖かったんだ(でも、もし受話器を取ってあのとき謝っていたらあの恋はまだ続いていたんだろうか?)とか。この恋が終わったことは私たち2人にとっていいことだったんだ。それとも僕が間違っていたんだろうか?とか。

私なんて…ぶっちゃけ、だんなの夢はまったく見ませんが(苦笑)、昔好きだった人の夢はこの歳になってもよく見ますねえ。そういえば…あのとき彼は何が言いたかったんだろう?…そんなこと今更考えても不毛じゃないか。そう思えど、夢を見た後は考え込んでしまうことすらあります。あ、でも、そうは言っても今もその人が好きか?ていうと、全然そんなことはないんです。今、もう一度会いたいか?ていうと、正直私はあんまり会いたくない(笑)。私が年老いたように彼も年老いているハズ。夢見る彼はいつまでも若く、それに対応している私もやっぱり若い。だからその夢見るような恋にケチをつけたくないんです。万が一禿げてでもいたら…ってめっちゃ失礼な話なんですけど(苦笑)、でも、そうだとせっかくの夢も全部泡になってしまう気がして。ただ、もし彼もこんな風に私という存在を思い出してくれることがあったら、それでもう幸せだなあ…なんて思ってしまうのです。

そういう意味では、辛い別れも実らなかった片思いもないよりも絶対あったほうが実り豊かな人生になるのかなあ…と思います。この曲が何十年経った今でも多くの人に受け継がれているのは、世界の人が私と同じようにかつて若かりし頃の恋愛を淡く思い出している証拠なんだと、そんな風に思うのです。

しかし、まぁ…それで娘にケイリーという名前をつけてしまうのは…ちょっと行き過ぎカモしれないぞ?と思ったりしなくもないのですが…。可愛いお名前なので悪くはないとは思いますけどね!!




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2021/01/09

曲題に名前が入っている(2) - スイート・キャロライン



本日ご紹介する曲 - Neil Diamond - Sweet Caroline

テーマ「曲題に名前が入っている」の2回目。本日はニール・ダイアモンドのスイート・キャロラインです。この曲はスポーツイベントにもよく使われる曲で、ニールダイアモンドを知らない日本人でもこの曲を聴くと「ん?知ってるぞ?どっかで聞いたかも?」と思われるかもしれません。

直近でいうと2019年のラグビーW杯でこの曲がかかってましたね。オランダというラグビー不毛の地に住む私ですが、テレビ中継はされていましたので週末はしかと見届けさせていただいてました。時差の関係で朝っぱらからスポーツ観戦!でした…。オランダから日本を見てましたが、スタジアムの様子とかすごく良かったですよね。羨ましかったです。いいな、と思ったのは大分のスポーツ公園総合競技場かな。ちょうど試合途中で夕日が降りてきたように記憶してますが、奇麗だな~と思いながら眺めていたことを覚えています。

で、そこにニール・ダイアモンドの音楽が。え?日本で?ちょっと驚きました。日本では年季の入った洋楽ロックはかなりマイナーである。しかもヒットチャートトップの流行り音楽しかオンエアされない(例外は王道の80年代)。ともかく自分の好きな曲やアーティストを知っている人が全然いない、ということに不満を持ち続けながら日本で生活してましたので、こんな大きな会場でニール・ダイアモンドなんて泥臭い曲がかかっちゃってて、ウホォーイとなってしまったのですよ…笑。

この曲はEDMのようなガンガン戦闘曲ではなく、割とのほほーん、ホンワカとした雰囲気があるので、スポーツイベントはラグビーの他、サッカー、野球、陸上…等々なんにでも合い、世界各地で使われているというのが現状です。野球なんかのペースにはぴったりだと個人的には思います。私の身近ではオランダサッカーのフェイエノールトチームですかね。スタジアムでよくかかります。ファンどもは「Sweet Caroline~」に呼応して「Oh Oh Oh~」というのがお決まりコースとなっていて、見た目フーリガンのコワモテオッサンたちはいつも楽しそうに盛り上がっていますが。

↓下記動画は北アイルランドサッカーファンが盛り上がっているところ…↓




スイート・キャロラインのキャロラインは誰を指すのか?ウィキペディアにも載っていますが、これがケネディ大統領の長女で駐日アメリカ合衆国大使も勤めたキャロライン・ケネディから取ったのだそうです。しかしながら。この歌詞の内容はこのケネディ女史のことを語っているのではなく、元妻であるマルシアさんについて歌っているとのこと。

なんでそんな面倒くさいことすんねん?と思いきや、単純に曲調に合わせるために3音節の名前でなければいけなかったとのこと(汗)。確かにスイート・マルシア~♪だと音節が足りない、というか合わないかもしれませんね…。

この曲が出たのが1969年。彼がマルシアさんと結婚したのが1969年の12月ですからまさにラブラブだったんでしょうね。最愛の君に歌を捧げる…って女性の永遠の夢?私は…あんまり憧れてませんが…でも、実際に声がめっちゃセクシーな人から歌なんかプレゼントされたらその場で卒倒してるかもしれないしな。保証はできないわ(笑)。なんといっても顔より声!の声フェチですし…。

しかし、そんな愛をささげたマルシアさんとも25年後の1994年(もしくは1995年)に破局を向かえ離婚しています。愛は永遠ちゃうんかい!!!とツッコミを入れたいような気もしますが、こうやってサクサク結婚&離婚を繰り返し、家族がどんどん大家族になっていくのが西欧風かもしれません。うちの子の周りとか…話を聞いているとすごいですもん。愛は世界を全員家族にしちゃう?みたいな勢いですよ。(義理)兄弟・姉妹が全部で8人なんていう人もいます(驚)。離婚すると家族の数が減っていく日本とは概念が違うのです。

考えてみると、アーティストってめっちゃ女性にモテますよね。前回紹介したジョン・メレンキャンプも3回結婚し、さらにメグ・ライアンと近年婚約・婚約解消…といつまで愛全開やねん!てツッコミたくなりますが、このニール・ダイアモンドも3回結婚してます…汗。もしかするとアーティストの結婚回数は平均3回くらいかもしれませんね。良い曲を作るためには恋が必要…これはニール・ダイアモンド自身がそのように公言しており、職業のために恋をしているらしいです。そういや歌舞伎役者なんかもそんな風に言ってましたね。この名曲が彼の愛を元に出来たのだとすると、どんどん恋愛したれ~5回でも10回でも結婚してください、そして慰謝料は新たにヒット曲を作って回収しましょう、ということなのかもしれません(笑)。




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2021/01/03

曲題に名前が入っている(1) - ジャック&ダイアン



本日ご紹介する曲 - John Cougar - Jack & Diane

年が明けました。今年もどうぞよろしくお願いします…と言いつつ、いつまで続くかどうかは気分次第…という不安定なブログでございます。

さて。どの曲をご紹介するかな?と考えたときに、テーマになっていると曲を選びやすいので、今日から「曲題に名前が入っている」曲をご紹介していきます。ちょっと思い浮かべただけでもけっこうアルアル~。

話は逸れちゃうかもしれませんが、少女漫画も最近は「〇〇くんのXX」みたいに名前が題名になっている漫画多いですよね。あ、スミマセン。いきなりオタネタですが…笑。漫画、好きなんですよ。漫画がなければこの海外生活は続けられないってくらい…。昔は母親に「あんたは本当に漫画ばっか読んで…」と言われ、今は娘に「また漫画~?」と言われているワタシです。…ってどや顔できることでもありませんが。

さて。1回目の今日はジョン・メレンキャンプのジャック&ダイアンです。この方、今はこの方、こんなお名前なのね。この方の名前は、ジョニー・クーガー → ジョン・クーガー → ジョン・クーガー・メレンキャンプ → ジョン・メレンキャンプと変わってます。次に来るのは…クーガー・メレンキャンプ、ですかね?もしくはジョニー・メレンキャンプ?この微妙な変更が何を意味するのか…?!すみません、それはよく分かりません。ちなみにこの曲が出たときはジョン・クーガーでした。

このジョン・クーガーもしくはジョン・メレンキャンプ(ややこしいので以降メレンキャンプで統一)。中学生の頃大好きでした。まさに80年代ど真ん中。この頃のアメリカは最強で、ともかく裕福で強いアメリカに憧れていました。アメリカ・イズ・ナンバーワン…その言葉がまさに相応しかった…。

中学生の頃、メレンキャンプのsmall town(スモールタウン)という曲にハマりまくってまして…親戚&家族でお正月に貸別荘に泊まりに行ったんですが、数日でも音楽がない場所には行けない…とCDラジカセとメレンキャンプのCD「スケアクロウ」持参で出かけたことを鮮明に覚えています。まさに薬中毒ならぬ音楽中毒ですよ…苦笑。ちょっと時間が空くと1人で部屋に籠ってCD聴いて元気づけてたことを覚えてます。いや、旅行が楽しくなかったワケではないんですよ。でもいかなる時も私には音楽が必要だったんです。

この頃はまさに王道・正統派ロックをよく聴いてました。ブルース・スプリングスティーンとかね。ジョン・メレンキャンプもまさに王道ロックというに相応しく、この頃の私にはど直球でハマりまくりましたね。

…今は。もう卒業しちゃったというか…。たまーにラジオから流れると懐かしいような気持ちになりますが、自分から進んでCDを選んで聴くか?というとそうでもないです。特にスモールタウンは何がそんなに良かったんだか…くらいな気分で。飽きちゃったわけではないですけど、やっぱり卒業しちゃったんですかね。この方はインディアナ出身なのですが、今のアメリカでいうとラストベルト地帯(錆びれた地帯)なんですよね…。いや、彼の音楽が錆びれた訳では決してないのですが、何と言うか…私は彼の音楽を聴くと、なんだかちょっと寂しい気分になってしまうのです。

さて。この曲のジャックとダイアンとはいったい誰なのか?若いお二人さんということだそうですが、もともとは映画「渇いた太陽」のチャンスとヘブンリーを題材としているそうです。この映画を知らない人もあらすじを知れば、だいたいこの曲の意味するところが分かります。

興味深いのは、ジョン・メレンキャンプはもともとジャックをアフリカ系アメリカ人に設定したかったそうなのですが、レコード制作会社に懇願されて「白人フットボール選手」に変更したそうです。80年代…確かにこの頃はまだまだアメリカは黒人と白人が一緒になってはいけないような時代だったのです。レコード会社は曲が論争になるのを極力避けたかったかもしれません。もしくはスポンサーが忌み嫌ったのかもしれません。

話を本題に戻して。この歌詞の解釈を少し…。

ジャックは将来有名なフットボール選手になることを夢見ていたのですが、成長するにつれて自分の限界が分かっていきます。その限界を直視することができず、まだ自分は成功できるかもしれない…半分諦めきれません。そんな心情を持つジャックは初恋の人ダイアンに出会い、彼らは車に乗って出かけます。ドライブでちょっと昔のトキメキ気分を思い出しながら。

ジャックは半分本気で、半分やけくそ気分で…ダイアンを誘いこみます(しかし…「Let me do what I please(僕のやりたいことをやらせてくれ)」って言うんですね…。あまりに直接的で、ちょっと純情おばさんは顔が赤くなってしまうわ…苦笑)。

しかしダイアンは言うのです。「Oh yeah, Life goes on, long after the thrill of living is gone(煌めく人生の時期が過ぎても、ずっとずっと人生は続くのよ。やけくそになっちゃだめ)」

その言葉を聞いたジャックは夢から醒め、現実に戻されます。頭を搔きながらちょっと考えを纏めつつ、彼は言葉を変えて「じゃ、僕たちはこの街を出よう」と誘うのです。

それに対しダイアンは言います。「Baby, you ain't missing nothing(ベイビー、あなたが失うものは何もないのよ)」

それを聞いてジャックはさらに現実を直視することになります。愛の逃避行は本当の解決ではないのだということに気がつくのです。そうか、煌めく人生の時期が過ぎても、ずっとずっと人生は続くんだったね、じゃぁ逃げても何の解決にもならないんだ、と。

「渇いた太陽」のあらすじによると、結局この2人は問題を解決して結ばれます。ジャックとダイアンもそうなのでしょう。いつまでも16歳じゃいられない。大人になって現実を見なければいけない。でも、現実をきちんと見た2人はちゃんとそれを受け入れて大人の男女になっていくのです。

こう書いていて思うのは、2020年の初頭に浮気問題で大炎上したお二人さん。女性のほうは「好きな人しか写真を撮らない」とかなんとか…思いっきりお花畑な匂わせ状態で大炎上してましたが、この二人はいったいどこへ行きたかったのでしょうかね。まさに現実を見ずに愛の逃避行を繰り広げちゃって最後は大炎上になったワケなんですが、この歌詞のダイアンの対応と比べると…この二人は物事を解決できず逃げているお子ちゃま二人組ですよねえ。そういう意味で非常にカッコ悪い。

愛の逃避行といえば、今話題のKK&マコもそうですね。このままでは国民はまったく納得できないといっているのに、何も解決せずに時が経つのを待って突き進もうとしている。いや、時は何も解決してくれないんだよ。君らがみんなを納得させなければいけないんだよ!!まったくもってこんなお子ちゃまオトコのどこがいいんだか~と思うけど、きっとマコもお子ちゃまなんでしょうね…。30にもなって、もはやこれは見るに堪えない痛々しいレベル…。週刊誌をうのみにするわけにはいきませんが、このKKってママー人形なんでしょうねえ。きっと。彼の本来の顔がまったく見えてこない…。

話がどんどんとそれてしまいましたが、私ももう大人っていうかすでにばばぁの域に足を踏み入れており、今更何を言ってるんだ~ですが…このダイアンのように一言で人の道を正すことができるような…イイ女でいるように努力しなければ、と思うのであります。ハイ。




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2020/12/18

RIP 何も考えずにただ踊り明かそう - ポインター・シスターズ



本日ご紹介する曲 - Pointer Sisters - I'm so excited!

私がこのブログで一番最初に紹介したのがヴァンヘイレンのジャンプでした。この曲が私を洋楽の世界に連れ出してくれた曲。このグループの天才的ギターリスト、エディ・ヴァンヘイレンは残念ながら今年の10月に亡くなってしまいました。

日本のYahoo!ヤフーニュースについたコメントも3000件近く。海外のアーティストでこれだけのコメントがつくことなんてないんじゃないでしょうかね?テレビでも放映されていたみたいですし。スゴイな、と改めて思いました。ちなみにその3000件の栄えあるトップコメを獲得したのはなんと…私でした!トップコメなんて取ったことないので興奮してしまいました。それが大好きな方へのコメントであったので尚更。

ヴァンヘイレンは私を洋楽の世界へ連れ出してくれただけでなく、実は恋のキューピットでもありました。オランダ人の旦那と一番最初の会話がヴァンヘイレンだったのです。え?!いきなり会話がヴァンヘイレン?ぶっ飛んでるなー!と驚くかもしれませんが…(苦笑)。実は旅行ツアーでアメリカ・クリーブランドのロックの殿堂を訪れた際、私以上に熱心に見ていたのが旦那で、ついつい声をかけてしまったという…笑。まぁそんなこともあってこのブログ名もクリーブランドの音楽堂となってます。フフフ。

その旦那が「エディが亡くなった」と教えてくれて、その時にはまだ日本では記事は挙がってなくて、記事が挙がると同時にコメントしました。ヴァンヘイレンが好きな方はご存じだと思いますが、彼らは私が今住んでいるオランダ出身。いろいろ縁があるなぁと思っています。

…とヴァンヘイレンのことばかり書いていますが、今日ご紹介するのはポインターシスターズのI’m so excited。まったく関係ないやん!と思われるかもしれませんが…私がこのグループで一番好きな曲は1983年に出たシングル、ジャンプ。ヴァンヘイレンのジャンプもほぼ同じ時期に出ており、まったく同名の曲がヒットチャートを賑わすとは…面白いもんだなあと思いませんか?

ヴァンヘイレンはアレックスとエディの二人のオランダ人兄弟が中心となって結成されたグループですが、ポインターシスターズは3人(正確には4人)のポインター姉妹によるグループであるという点も共通点があります。

そして何より。今年亡くなったのはエディだけでなく、ポインターシスターズ姉妹の3女、ボニーポインターも亡くなりました。こういうところは共通しないで、もっと長生きしていただきたいのですが…。でも、まったくジャンルが違う音楽を築き上げたグループですが、見つけてみると意外といろんな共通点があるでしょ…???あ、こじつけですかね(笑)。

ポインターシスターズは黒人グループですが、この頃チャートを賑わせたマイケルジャクソン、スティービーワンダー、ティナターナー、アース・ウィンド・アンド・ファイアーなどと共に黒人をR&B/ソウル(ブラックコンテンポラリー)などの一ジャンルからヒット・メジャー音楽であるトップチャートに引き揚げたグループのひとつではないかと…個人的にはそんな風に思っています。私はルーツとかジャンルとかそういうものにはあまり興味がなく、よってウンチクも語れないのですが…この後、ホイットニーヒューストンとかマライア・キャリーが同じような曲を白人黒人分け隔てなく歌うようになったのは、この辺りの年代の頑張りによるのかなぁと…そんな風に感じるのです。

さて。今日ご紹介するI’m so excited。まずはユーチューブ・ビデオをみてください。このユーチューブ、どなたかが作ったのか分かりませんが…私は正直こんなに感動したものはない!てくらいにビックリしました。いやー、まさにI am so excitedです。相当な映画精通者?関係者?もしくは究極のオタク?…ともかくこの音楽とこれだけ共感・シンクロしてしまって良いのでしょうか?この曲の良さがこの映像がつくことによって150%くらいアップしているように思います。

この曲は、もうこの映像とこの曲調のとおり、踊って踊ってこの瞬間を楽しんで!という、まぁもうただそれだけの曲です。ていうか、何か考えちゃダメ!!五感に任せてひたすらフリフリ踊っていればいいのです。

And we shouldn't even think about tomorrow
(明日のことなんて考えないで)
Sweet memories will last a long, long time
(楽しい思い出はずーっと永遠に続くから)
And we'll have a good time, baby, don't you worry
(きっと将来も楽しいはず。心配しないで、ベイビー)
And if we're still playing around, boy, that's just fine
(何も考えずに楽しみ遊んでいれば、もうそれだけでいいのよ)

現代人はSNSの台頭によって単なるアホ!でいられなくなって、こういうノリが許されなくなってしまったのかもしれませんね。ちょっと若気の至りでおふざけしたら、その後何年かしてその写真が出てきてそれが叩かれてしまったりして…。けっこう大変な時代だなと思います。

でも、人間、いつも先のことを考えて監視されるように生きていたらいつか行き詰ってしまう。私は個人的には、法治国家に生きる人間として、法違反がない程度のおふざけならいいんじゃないかなぁと思っています。それを許せるかどうか。例えば不倫とか…もう最近は不倫マターは全国民揃って袋叩きですけどそれをするのは当事者だけでいいんじゃない?と思うし。ただ何事も自分の行為には責任を持ちたいですけどね。陰でコソコソするんだったら、堂々と自分の行動に責任を持って示せって言いたい派ですかね。私は。

この状況は、残念ながら今はコロナ禍で以前よりさらに状況が悪化しているという、、、だからでしょうかね。このユーチューブビデオを見ると、なんだか解放されたようなすがすがしささえ感じますね。もう~…私も踊っちゃうぞ!!その歳で~?!と言われてもいいのよ。この歌詞にあるSweet memories will last…これは本当です。楽しい思い出があれば辛い時も乗り越えられる。だから私は若い時に楽しい思い出を積み上げていって欲しいと願ってます。




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